自社オリジナルの教材で新人社員が大きく成長

Date - 2018.01.30

「日経トップリーダー」が、

中小企業基盤整備機構と東京商工リサーチによる協力の下、

2014年からスタートした「日経トップリーダー・人づくり大賞」。

企業経営の根幹である人材育成に

優れた中堅・中小企業にスポットを当て、表彰しています。

 

今回は、『日経ビジネスONLINE』より、

人づくり大賞受賞企業の1社、

長野県飯山市に本社を置くフクザワコーポレーションの

人づくりの取り組みを紹介します。

 

公共土木工事などを手掛ける、

フクザワコーポレーション(以下フクザワ)の社員は

20、30代が7割を占めます。

高齢化が進む土木業界では珍しいです。

しかも、13年連続で長野県の優良技術者表彰を受けており、

技術に対する評価は県内トップクラス。

この若い技術者集団は、

緻密な社員教育プログラムによってつくられます。

 

新入社員は2カ月かけて13の研修プログラムを受講します。

使うのは、百科事典の厚さほどもある自作教材。

内容は極めて実践的です。

 

新人研修用の教材には、

仕事に即した具体性のある例題が多く盛り込まれています。

先輩社員の講義のほか、

新人同士の議論や自分の考えを発表する場も設けています。

 

ある重機を会社から現場に運ぶ場合、

何時に起床すれば間に合うか──。

初歩的な時間計算問題ですが、

こうした計算を怠って訪問先に遅刻するミスは、

どの業界の若手社員にも起こりがちです。

 

教材に掲載している例題には過去、

実際に社内で起きた問題がいくつも含まれています。

現場で使用する道具の使い方から、

土木業界の仕組みまで幅広くカバーしており、

仕事にそのまま使えるリアルさがこの教材の特徴です。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

社長のノートを教材に

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

福澤直樹社長は

「教材は、もともと私自身のメモをベースに作った」と言います。

先代の父から、廃業するかもしれないと明かされた福澤社長は

大学院を中退し、会社に飛び込みます。

ただ土木工事の知識はほとんどなかったため、

先輩社員から聞いたことを全部、必死になってノートにメモしました。

 

福澤社長の入社は1989年。

その数年後から新卒採用を始めましたが、

当初は育成のノウハウが確立されておらず、

退職者が続出したといいます。

しかし、この教材を使った教育や、社内検定制度の導入により、

次第に若手社員が定着するようになります。

 

新人研修の講師を務めるのは入社2~5年目の若手社員。

自身の経験から、どんな場面で新人が悩むかが

よく分かっているので、教え方も具体的です。

フクザワでは同世代の若い社員が多く、

交流する機会も多いため、

新人が仕事上の疑問点を周囲に聞きやすいのです。

 

配属先によって、どの研修を受けるかは、細かく定められています。

注目は、事務スタッフにも

CAD(コンピューターによる設計)の操作を学んでもらうこと。

他社では施工管理スタッフがする仕事を、

フクザワでは事務スタッフが担うためです。

 

こうした独自の教材にある最大の特徴は、

社員目線で作り上げたものであるということ。

社員目線であるということが

新人社員のモチベーションを促すことになります。

 

また若手の新人採用と育成に力を注ぐということは

活気ある職場づくりにも一役を担います。

新人スタッフの働きやすさを追及することにもなるわけです。

 

 

出典:日経ビジネスONLINE