今いるメンバーが最善かつ最高である

Date - 2018.03.28

今回は320日の「日経ビジネスONLINEからのご紹介です。

 

株式会社武蔵野の小山昇社長のコラムです。

小山社長は、1948年山梨県生まれ

東京経済大学を卒業し、

76年にダスキンの加盟店業務を手掛ける

日本サービス・マーチャンダイザー株式会社(現在の武蔵野)に入社。

89年に社長就任。

赤字続きの「落ちこぼれ集団」だった武蔵野で経営改革を断行。

2000年、10年と日本経営品質賞を2度受賞する優良企業に育てています。

現在550社以上の経営を指導。

著書に『小山昇の失敗は蜜の味 デキる社長の失敗術』(日経BP社)など。

 

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「部下が使えない」と愚痴をこぼす管理職は無責任

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私はときどき、管理職からこんな陳情を受けることがあります。

「部下の××くんがどうにも使えない。異動させてほしい」──

「部下が使えない」というのは多くの管理職に共通する悩みです。

あなたも同じように思うことがあるでしょう。

思うばかりか、実際にそう訴えた経験もおありかもしれません。

一般に中堅・中小企業は社長と管理職との距離が近いため、

人事のようなデリケートな問題も、

このように比較的フランクに話すことは珍しいことではありません

 

では、ここで問題。

「部下を異動させてほしい」という、

あなたの希望を社長はいったいどう聞くでしょうか。

 

端的にいいましょう。

社長は「やれやれ、厄介なことになっちゃったなあ」

と思って聞いています。

まあ、どう控えめに言ってもポジティブな意味ではないですよね。

つまりあなたは建設的な提言のつもりで

「異動させてほしい」と言っても、

社長はそうは受け止めてくれないです。

 

なぜあなたの至誠(?)を社長は理解してくれないのでしょうか。

理由はふたつあります。

 

理由の1

そもそも中堅・中小企業においては、人事はトップの特権で、

社長は「管理職が差し出がましいことを言うんじゃない」

と思うからです。

と、このように(あえて)挑発的な書き方をすれば

反発もあると思いますが、

この勝負、あなたに勝ち目はありません。

会社で一番繊細に組織を見ている人間は、社長です。

人材を采配する「目」はあなたより絶対に確かです。

 

理由の2

社長は「部下の××くんが使えない」ことくらいすでに百も承知で、

それをなんとか使える人材にまで育ててくれという思いで、

あなたに「預けて」いる。

私の過去の連載をお読みの方なら、

管理職に期待されている最大の仕事のひとつが、

人材育成であるとご承知のはず。

だから

「部下の××くんが使えない」

と愚痴るだけでも相当に無責任な話なのに、

「異動させてほしい」

とまで言うのは

「私は管理職としての義務をまっとうしません」

と宣言するに等しい。

 

ね、こう聞けば社長が渋い気持ちになるのも理解できるでしょう?

 

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「この部下は使えない」 その思いは態度に出る

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私は、わが社の管理職が部下の異動を願い出てくるたびに、

「あなたが変わりなさい」

××くんが『使えない』のはとっくにわかってる。

それを『使える』ようにするのが君の仕事だろ」

と叱ってきました。

 

とはいえ実は、

最近の私は「まあいいか」と判断できるケースについては

なるべく希望に沿うよう、つまり異動させることもあります。

なぜなら、現実問題として、

××くんが使えない」

などと平気で口にできる管理職が、

この先も彼の面倒をきちんと見るでしょうか。

果てしなく疑問ですよね。

そんな管理職の下に××くんを置いたままにしていたらどうなりますか。

リソースが無駄に垂れ流されるだけではありませんか。

 

いや、リソースが無駄になるだけならまだましです。

よく言われることですが、心は行動を規定する。

だから「使えない」というネガティブな気持ちはしばしば、

管理職としては感心できない態度となって現れます。

無視したり、人格的な罵倒をしたりとかね。

直属の上司からそういうことをされた部下はどうなるか。

言うまでもないですね。

仕事が面白くなくなり、会社が嫌になって辞めてしまう。

特に最近の若い社員はストレス耐性の低い人が多いのです。

 

従来、中小企業は無責任で、

「上司と部下、相性が悪くてもしかたがない」

「それで部下が辞めてもやむなし」

「辞めた人材は、また募集をかけて補充すればいい」

などと考えている節(ふし)がありました。

しかし、大変な人手不足の状況が続く現在は、

もはやそういう時代ではない。

辞めた人材の補充は利きません。

 

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「使えない奴だ」と思っても教育の手をゆるめない

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以上を簡単にまとめるとこうなります。

管理職が

「部下を異動させてほしい」

は本来的には越権行為であり職務の怠慢で、

社長としてはその場で叱ってもいい事柄である。

しかしそれをすると部下の退職という、

もっと好ましくない事態を招いてしまいます。

これは社長としては結構なジレンマです。

本稿冒頭で

「(社長は)厄介なことになっちゃったなあ、と思う」

という内容の記述をしたゆえんはここにあります。

 

あなたが今以上の引き立てと出世とを望むのならば、

社長のこういう気持ちをよくよく汲み、

よく理解したうえでの業務遂行を心がけておく必要があります。

すなわち、社長の決めた人事にいちいち不平不満をいわない。

部下の出来・不出来にかかわらず差別をしない。

「使えない奴だ」と思っても教育の手をゆるめない。

 

なにより大切なのは、

「今いるメンバーが最善かつ最高なのだ」

と、自分にいい聞かせ、心に刻んでおくことです。

これは前述の「心は行動を規定する」とも密接に関係します。

「使えない」××くんが

あなたの思惑通りに異動になったからといって、

彼を上回る人材が入ってくることはほぼあり得ない話なのですから

少なくとも現在の中堅・中小企業では。

 

 

今回は、中堅・中小企業の管理職の方に向けたコラムでしたが、

注意深く読んでいくと、社長のあり方や、

部下の意識の持ち方にも参考になる部分が多くあったと思います。

絶望的な捉え方をするのではなく、

「今いるメンバーが最善かつ最高である」という視点の変換として

参考にしていただけると幸いです。

 

 

 

出典:日経ビジネスONLINE

 

 



「心が折れやすい部下」の3つのタイプとは?

Date - 2018.03.21

今回は3月12日の「日経ビジネスONLINE」からのご紹介です。

 

ビジネスパーソンが仕事を続けるには、

「病気の予防」や「能力を高める」ほかに、

「メンタルヘルスを強化する」ことも必要不可欠な要素です。

帝京平成大学現代ライフ学部教授であり

ライフバランスマネジメント研究所代表の渡部卓さんが、

ビジネスパーソンが陥りがちな

メンタル不調の切り抜け方を指南していきます。

 

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部下や自分の性格はどのタイプ?

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部下をマネジメントするうえでは、

性格の傾向を把握しておくことも大切です。

その中でも、特に知っておきたいのが、

部下がどんなことにストレスを感じやすいか、

どんなことで心が折れやすいか、ということです。

私はこれまでの企業研修やカウセンリング、コーチングなどの経験から、

そうした心が折れやすい性格や気質の傾向を、

3つのタイプに分けて考えてきました。

それぞれの主な特徴は次の通りです。

 

《心が折れやすい3つの性格のタイプ》

 

【メランコリー気質タイプ】

[長所]

•協調性が高く、周囲への気遣いもできる

•真面目でルールやマニュアルを遵守する

•安定した環境があれば、チームの中で力を発揮できる

[短所]

•頑固な一面があり、気晴らしが不得意

•変化、失敗、挫折に弱く、臨機応変な対応が苦手

•自分を抑えてしまうため、不安やストレスをためこみがち

 

【執着気質タイプ】

[長所]

•粘り強く、責任感が強い

•熱血漢で、頼りがいがある

•高い目標に向かって努力できる

[短所]

•あいまいさを嫌い、結果に執着しすぎる

•結論を急ぐ、せっかちになりやすい

•自分を追い込み、「燃え尽きる」ことがある

•自身の心身の不調や過労を認めようとしない

 

【自己愛・依存タイプ】

[長所]

•マニュアルや指示には説明がともなえば従う

•自尊心が満たされると、意欲をみせる

•「自分らしさ」「自分磨き」を大切にする

[短所]

•失敗や目標未達では自責より他責の傾向がみられる

•自己評価が高くなりがち

•依存心が強く切磋琢磨を避けたがる理想と現実のギャップから心が折れやすい

 

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メランコリー気質タイプの人は、昇進もストレスに

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このタイプは真面目で善良な人が多く、協調性も高い。

日本人の過半数はこのタイプに当てはまると考えられ、

国民的な特性ともいえるでしょう。

 

ルールやマニュアルを尊重する傾向があり、安定した環境があれば、

チームのメンバーと協力しあって力を発揮するタイプです。

目標や計画を立てて、

それに向かって地道にコツコツと努力を重ねることも得意です。

 

一方、ルールやマニュアルなど“決まったレール”を外れると、

不安に苛まれてしまいます。

安定しない状況や変化に弱いのです。

突発的な出来事やミスなどに臨機応変に対応するのも苦手で、

そうした状況に強いプレッシャーを抱きます。

例えば、職場の異動や役割の変化なども、

メランコリー気質タイプの人にとってはストレスとなります。

それがたとえ、昇進や抜擢といった良い変化であってもです。

 

そうした良くも悪くも変化が起こった当初は、

真面目な性格からなんとか対応しよう、

期待に応えようと必死になるため、

周囲からは「頑張っているな」と見られることも多いもの。

しかし、3カ月も経つ頃には、

張りつめた糸が切れるような状態になることもあるので注意が必要です。

季節の変わり目などにも、心身の不調を来すことがあります。

 

メランコリー気質タイプの人は、

何かしらの変化が起こったときに、注意深く見守り、

ストレスやプレッシャーを和らげるようなケアをするといいでしょう。

また、仕事や人生には突発的な出来事がつきもので、

さまざまな変化を柔軟に受けとめていけるように促すことも大切です。

 

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執着気質タイプの人は燃え尽き症候群に注意

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執着気質タイプの人は、

粘り強くて、負けず嫌い、責任感が強く、熱血漢で頼りがいがあります。

高い目標やノルマを設定しても、

結果が出るまであきらめずにやり通します。

 

ただ、結果に執着しすぎて、

自分自身に過剰なプレッシャーをかけてしまい、

気づかぬうちに心身に疲労やストレスが蓄積していきます。

その結果、

「バーンアウト(燃え尽き症候群)」になる恐れもあります。

そうした状態に陥っても認めようとせず、

さらに自分を追い込んでしまいやすいのも、

執着気質タイプの特徴です。

 

執着気質タイプの人は、

努力の成果が認められないとき、

評価に失望したとき、

努力しても思うような結果が出せないときに、

心が折れやすくなります。

ですから、部下が成果を上げたときには、

労いの言葉をかけてあげてください。

また、結果だけでなく、そのプロセスでの努力にも目を向け、

評価するといいでしょう。

執着気質タイプの人は、

目標に向かって突っ走る傾向があるので、

そんな様子が見られたときは、

適切な休息と睡眠を取るよう促すことも大切です。

 

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若手には「自己愛・依存タイプ」が多い

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自己愛・依存タイプの人は、

いわゆる「ゆとり世代」と呼ばれる人たちに多い傾向があります。

過保護、過干渉の家庭や教育環境で

育ってきた世代に多いといえるかもしれません。

 

職場では“指示待ち”の傾向がありますが、

自分に関心が寄せられている、

尊重されていると感じられると、

自尊心が満たされ、素直に仕事に取り組むでしょう。

一方、つまづくことがあると、他者に責任を転嫁しがちです。

自分が間違って理解していた、

経験や能力が足りなかったといった思考にはなりにくく、

正当化したがるのです。

 

自己愛・依存タイプの人は

「自分らしさ」に強いこだわりがあり、

個性や自分磨きを大切にします。

それがスキルアップにつながることがある一方で、

自分のやりたい仕事や関心のある仕事だけを望む傾向もあります。

しかし、実際にはその希望が叶うとは限らず、

理想と現実のギャップから心が折れやすくなります。

 

自己愛・依存タイプとのコミュニケーションで最も大切なのは、

自尊心を満たすように働きかけることです。

このタイプの人たちは、自己愛や依存心が強い一方で、

自己肯定感が低い傾向があります。

そこに上司に認めてもらえない、

関心を持ってもらえないと感じると、

動揺したり、他責的な言動を取ったりすることもあります。

そうした状況になっても、

上司は部下の自尊心を傷つけないように傾聴に徹すると、

次第に心を開いてくれるでしょう。

 

部下の性格の傾向を把握し、

配慮したコミュニケーションを心がけていても、

部下が心身に不調を来すことはあります。

その対応策として、以下の点に注意をしておくことが

効果的な対応と言えるでしょう。

 

•部下の折れやすい性格や気質のタイプを把握しておく

•真面目で臨機応変な対応が苦手な「メランコリー気質タイプ」は、変化が起きたときにケアを

•結果にこだわりすぎる「執着気質タイプ」は、燃え尽きないよう、適度な休息と睡眠を取るよう促す

•自己愛や依存心が強い「自己愛・依存タイプ」は、自尊心を満たすようなコミュケーションを

 

 

いかがでしたでしょうか。

部下ひとりひとりにそれぞれの個性があり、長所と短所があります。

部下のやる気を出したり、成果を上げる方法は

発破をかけるだけではうまくいかない場合も多々あることと思います。

 

今回は、タイプ別に見た部下のメンタルについてご紹介しました。

参考にしていただければと思います。

 

 

 

出典:日経ビジネスONLINE

 

 

 



新人が教えてくれる繁盛店への道

Date - 2018.03.14

今回は228日の「日経ビジネスONLINEからのご紹介です。

 

居酒屋運営、楽コーポレーション(東京・世田谷)の宇野隆史社長の下には、

一国一城の主になりたい若者が次々に集まります。

店に入ったばかりの若者たちから、

居酒屋のオレたちは学ぶべきことがたくさんあると、宇野氏は語ります。

 

どんな仕事でも、新人はまず先輩たちに仕事のやり方を学ぶ。

何年もたって「一人前」にならなければ、

任せてもらえないことも多いだろう。

 

でも、オレたち居酒屋は、

店に入ってきたばかりの何もできない新人からも

「学ぶこと」がすごくある。

だってさ。

料亭のように何年も修行しなきゃ

お客さんの前に立たせないなんて余裕はないから、

入ってすぐの新人でも料理ができるように考えなきゃいけない。

これを考えることが、オレたち自身の糧になるんだよね。

 

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独立して店を持ったときに生きること

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例えば、アジのたたきだって店で数年働いているヤツと同じように、

入ってすぐの新人もお客さんを喜ばせる料理として

出せるようにしなくちゃいけない。

もちろん、何年も厨房に立っているヤツと同じようにはできないから、

どうやれば3日目の新人でもお客さんに

「おいしい!」って言ってもらえる料理を出せるかって、

先輩たちは頭を悩ませる。

 

アジのたたきってのは、たたいて細かく切ったアジの刺し身に

ネギなどの薬味をあえたもの。

新人がオーダーを受けてから作るんじゃ時間がかかり過ぎるから、

あらかじめある程度作っておいて、

水に漬けておいた刻みミョウガだけをお客さんに出す直前にあえる

こうすると、すごくいい食感が加わって、

お客さんに喜んでもらえる。

 

料理の味だけじゃなくてさ。

お客さんの前でさっと薬味をあえる動作は、格好いいでしょ。

刺し身がきれいに切れるようになるには時間がかかるけど、

薬味をあえる動作なら、新人でもちょっと練習をすれば

すぐにお客さんの前でできるようになる。

料理だけではなく、

動作で「おいしさ」を伝えることができるってわけだ。

 

そういう風に、

「できないヤツをどれだけ戦力にするか」と考えることが、

オレたちにはものすごく重要だ。

それは、店の子たちが独立した時の武器にもなる。

うちの店で働いているときには大勢の助けがあるけど、

独立したら自分1人。

料理も接客も、今までとは同じにはできなくなるから、

「できない新人」のために働かせていた頭が、

役に立つんだよね。

 

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一人前になっても忘れてはいけないこと

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独立して店を出すために、最近うちを出た子がいるんだけどね。

その子も、何もできないので有名な子でさ。

うちが以前、

カナダのバンクーバーに店を構えていたときに

現地で応募してきたんだけど、まず履歴書がひどくてさ。

後で分かったんだけど、

そいつはバンクーバーで同年代の日本人の子と一緒に住んでいたのね。

それで、一緒に住んでいる子の履歴書を名前だけ変えて持ってきたの。

同居していたのは、大学で英語を勉強している学生でさ。

英語テストのTOEFLが何点とか書いてあるわけ。

 

何もできなくたっていいけど

英語を話せる接客スタッフが欲しかったから、

「いいね、いいね」って採用してホールを任せたら、

これが全然しゃべれない。

「え? どうして?」って聞いたら、そんなことが判明してね。

なんで、そうまでしてうちに来たかったのかを聞いたら、

「まかないで、和食を食べて、味噌汁が飲みたかったんです」

って言うの。

めちゃくちゃでしょ(笑)。

元々、漁師をやっていたというから、魚がさばけるのかといったら、

これもできない。

やってたのはシラス漁なんだよ。

面白いよね。

 

そんなヤツなんだけど、ものすごく周りに愛される子でね。

送別会でも、

「あんなに何もできなくて愛されたヤツはいない」って、

みんなが口々に言うぐらい。

とにかく笑顔がいい子でさ。入ってきたときは、

「とにかく笑ってろ」と教えて、

一生懸命、お客さんを満面の笑顔で迎えていた。

居酒屋ってさ、そういうことが大事なんだよね。

だって、ものすごくおいしい料理を出してくれても

店主がいつもしかめっ面している店と、

いつも気持ちいい笑顔で迎えてくれて

心が晴れ晴れとするような店があったら、

すばらしいというような料理じゃなくたって、

笑顔がある店に行きたいよね。

 

 

今回は、飲食業のお店が繁盛していくための経営者のお話。

しかし、これは飲食業に限ったことではありません。

新人の特性をいち早く見抜き、

それを活かしていくスキルがリーダーには役立つ

ということだと思います。

 

どういった視点で新しい芽を育てていくかは

いつも意識しておく必要があるかもしれません。

 

 

 

出典:日経ビジネスONLINE



部下を信頼し、認めて、優れた所を伸ばす

Date - 2018.03.07

今回は2月13日の「日経ビジネスONLINE」からのご紹介です。

 

慶応義塾大学大学院経営管理研究科(慶応ビジネス・スクール)が

次世代の経営の担い手を育成すべく、

エグゼクティブ向けに開設する「Executive MBA」。

2017年12月の経営者討論科目ではNTTドコモの山田隆持顧問が

「経営とリーダーシップ」をテーマに講義を行いました。

 

講義の後半には受講者からの質問に

山田顧問が答える時間が設けられました。

「顧客満足度を向上させる方法」

「社員のねぎらい方」

「ガバナンスのあり方」

などに関する質問に対し、

山田顧問はこれまでの経験を基に自らの考え方を具体的に説明しました。

 

――受講者:NTTドコモのような大きな企業は、

極めて多くの顧客を抱えています。

ドコモの場合は、

お客様満足度をどのような形で向上しようとしてきたのか、

またどう評価してきたのかについて聞かせていただけますか。

 

山田:お客様満足度の評価に関しては

ドコモでは最終的には外部の会社を活用しています。

ドコモショップの対応、

端末の使い勝手や料金の内容に関する説明の仕方などについて、

お客様の評価を定量的に測ってもらっています。

これによって、お客様満足度はかなり精緻にわかります。

 

私がお客様満足度向上のために

一番大切にしていたのはCS(顧客満足)情報です。

お客様から直接届く声ですね。

お客様から届いた要望や苦情にできるだけ応えようと努めました。

 

皆さんが勤める会社にもCS部門があると思います。

CS部門はお客様の要望をとりまとめて、

それぞれの担当部門に解決策を依頼する部門です。

このため、CS部門はお客様と担当部門との間に

挟まれる存在といえます。

担当部門の回答が、後ろ向きだったり、拒否ベースだと、

CS部門はお客様に回答できなくなり困ってしまいます。

そうすると、

CS部門のメンバーは生き生きと仕事が出来なくなります。

逆にCS部門のメンバーが活力を持って

元気に仕事をしている会社は、

各部門がお客様要望に前向きに取り組んでおり、

素晴らしい会社といえると思います。

 

良い会社は

担当部門がCS部門から届いたお客様の言葉に耳を傾け、

改善するという企業風土が育っています。

 

では、どうすれば担当部門はきちんとお客様の声に

対応するようになり、CS部門に活力が湧くのか。

やはりリーダー自身が「CSを大切にしよう」と

ずっと言い続けることだと思います。

 

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社員へのねぎらいはすぐに形にすること

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――受講者:お客様満足度を向上し、

お客様の期待に応えるため、山田さんは社員に、

あえて高い要求をしてきた面もあるように感じます。

東日本大震災後、

翌月の4月末には携帯電話を復旧させたというのも

その1つの例かと思います。

高い目標を掲げて「頑張れ」とハッパをかけ、

実際に達成できたわけですが、

そのように成果を出したチームやメンバーに対しては、

山田さんはどのように報いてきたのでしょうか。

目標達成後も、

活力を維持してもらうために心がけていることや、

具体的に役立った方法があれば教えてください。

 

山田:実行してもらったこと、

頑張ってくれたことに対するお礼や感謝の気持ちは

形にして表しています。

これは非常に大切なことだと思います。

震災後、

いち早く復旧してくれた東北にいる社員や関係者の方々には、

直接足を運んで感謝の言葉を伝えました。

色々な慰労会もやりましたよ。

 

お礼や感謝の気持ちを形にした事例を1つご紹介しましょう。

私が社長になってつくった中期計画に

「2年後にお客様満足度調査でナンバーワンをとる」

と宣言しました。

これも東日本大震災の対応の時のように、

「無茶ぶり」だったかもしれませんが、

とにかくみんなには頑張ってもらいました。

 

お客様満足度調査の発表は11月上旬にあります。

私は11月になるずっと前から、ナンバーワンを取れた時には、

みんなに「ありがとう」と記念品を配りたいと考えていました。

ドコモには社員が2万人以上います。

ショップのスタッフを加えたら5万人を超えます。

記念品を5万個つくろうと思ったら1カ月ではできない。

だから、数カ月前から仕込みました。

有名ブランドの写真立てを発注しておいたのです。

 

「ナンバーワンが取れなかったらどうするんですか」

「大量の記念品がムダになるのでは」

と聞かれたけど、

「取れなかったら12月にプレゼントで配ればいいじゃないか」

と言いました(笑)。

幸い、11月の発表でナンバーワンが取れたので、

すぐに用意していたプレゼントを配りました。

ショップのスタッフの皆さんにも全員。

これはとても喜んでもらえたと思います。

 

皆さんもぜひお礼や感謝の気持ちは形にしてください。

大事なのはすぐにやることです。

ある程度、リスクを負ったとしてもです。

 

――受講者:山田さんが唱える「現場原点主義」というのは、

現場が「できない」という、

「言い訳」を封じる狙いもあるように思いますが、

いかがでしょうか。

 

山田:私はそんなに性格は悪くないんですよ(笑)。

まあしかし、現場の人と一体になっていると、

現場の人が「こんなことはできません」と言ったら、

「じゃあ一緒に考えましょう」という雰囲気はできますよね。

結果的に現場の人の言い訳を封じているのかもしれません。

もちろん、それは悪気があって言っているのではないのですが。

 

日本ではきっと、

性善説でやった方が会社の運営はうまくいきます。

そういう歴史や文化的な背景がありますし

知識や経験などもある人が多いですから。

あとは自分の会社を愛してくれる人をどれだけ多くつくるかですね

 

 

いかがでしたでしょうか?

社員への労いと現場原点主義、

お客様目線の必要な会社であるかないかを問わず、

「部下を信頼し、認めて、優れた所を伸ばす」ことの必要性を

感じていただけたのではないかと思います。

 

 

 

出典:日経ビジネスONLINE



社員の貢献を見える化、働き方に見合う評価を

Date - 2018.02.28

今回は28日の「日経ビジネスONLINEからのご紹介です。

 

伝統的な人事評価制度は、

仕事と生活のバランスの取り方や価値観の多様化に向き合えずにいます。

技術の進歩によって、

仕事やそこで求められるスキルの定義さえ変わってきます。

評価の在り方を再考すべきです。

 

『人事評価の「曖昧」と「納得」』の著者である

名古屋大学大学院経済学研究科、江夏幾多郎准教授

の記事をご紹介します。

 

企業経営における人事評価の目的は、

公正な評価によって従業員の仕事への意欲や

組織への帰属意識を高めたり、

従業員の成長を促したりすることにあります。

評価者(上司)が被評価者(部下)を公正に評価して、

その結果を正確にフィードバックできれば、

仕事に対する意欲を引き出せるでしょう。

だが、上司と部下の双方が納得できる評価を実施するのは

非常に困難なのが実態です。

 

原因は、包括的ではあるが曖昧な評価基準にあります。

戦後の日本企業の人事評価は、

職場環境や従業員個人の職務内容が柔軟に変化するのに対応するため、

評価基準を細かく定義せず現場の運用に委ねてきました。

しかし、人の能力や貢献を定量的に評価するのは容易ではありません。

その結果、能力や貢献を「勤続年数」や「残業時間」で

読み替えるといったやり方が蔓延してきました。

 

さらに、多くの企業では、直属の上司が1次評価を行った後、

さらに上位の組織単位で、

人件費を横目に見ながら評価結果の相対化も行われてきました。

人事評価の客観性を担保するために導入したプロセスが、

正確な評価やオープンなフィードバックを

かえって難しくした側面は否めません。

 

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従来型の評価制度の限界

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人事評価制度の問題点は長らく認識されつつも、

今日まで解消されてきませんでした。

日本的な人事評価制度は、

「いつでも、どこでも、何でもする」

という制約なき働き方と整合的です。

こうした制度の適用対象である総合職正社員は、

定年までの雇用保障と引き換えに制度の不備を許容してきました。

 

しかし、子育てや介護、闘病などと仕事の両立を目指す人、

企業主導のキャリア開発を望まない人が最近増えています。

企業側も多様な属性や価値観を持つ人が等しく活躍できる環境を整える、

すなわちダイバーシティーを推進しようとしています。

「働き方改革」と称し、政府もその流れを後押ししています。

 

背景には産業構造の変化や経済のグローバル化、

情報技術の発展に伴う仕事上求められるスキルの変化もあります。

 

現場に目を向けると、勤務時間や働く場所の面で

制約があるにもかかわらず、

制約のない働き方をする社員と同等以上の貢献をする人々は

少なくありません。

半面、旧来の働き方をする人々の労働生産性が

必ずしも高いとは言い難いところです。

 

にもかかわらず、

勤続年数や残業時間に影響されがちな従来型の評価制度のままでは

働き方に制約がありながらも社業に貢献している社員を

公正に評価するのは難しいものです。

評価制度のアップデートは、

経営者および人事担当者の責任として急務です。

 

企業があらかじめ定める「人事考課」にせよ、

上司と部下が毎期ごとに話し合って

目標を定める「目標管理(MBO=Management by objectives)」にせよ、

改善する余地はまだまだあります。

外部の専門家に仕組みづくりを依頼してもいいし、

書籍などを参考に人事担当者が内製することも可能です。

 

ただし、実際に評価するのは管理者です。

人間である以上、評価を下すプロセスの中から、

バイアスを完全に排除することはできません。

 

古いデータではありますが、

日本労働研究機構(現・労働政策研究・研修機構)が1998年に

企業の管理職を対象に行った調査によれば、

「評価者が代わることで従業員の評価(5段階)がどのくらい変わるか」

という質問に対し、9割が1段階または2段階変わると答えました

「評価は変わらない」と答えた人はわずか4.2%でした。

ある人にとって公正中立でも、

別の人にとっては「えこひいき」になることはままあることです。

 

こうした局面を打開するのは、

評価者と被評価者のコミュニケーションがやはり重要となります。

カギとなるのは「これまで」から「これから」へ視点を移動すること。

さらに上司が部下に接する時間を物理的に増やすことです。

 

上司が部下を評価する際、前期の営業成績など

過去の取り組みに目が向きがちです。

過去を顧みながらも、

部下が未来に対して前向きに働けるよう助言することこそが

フィードバックの本質です。

それが意欲の向上や次期の成績につながるからです。

 

評価について、

評価者が自らの言葉で

愚直に伝えられるかどうかもポイントとなります。

伝える内容だけでなく、そこにかける時間や熱量も重要です。

多くの日本企業では、

上司と部下とのコミュニケーションは淡白になりがちです。

その理由として「自らの業務の繁忙」を挙げる評価者が多いが、

部門の目標達成のために部下を指導・支援するのが

管理者の本来の役割のはずです。

 

「働き方改革」とダイバーシティ推進、

その中で必要な管理者の客観的な評価と、社員の貢献の密接な関係。

できる限りのバイアスを排除し、

社員とのコミュニケーションを図っていくことの急務性と重要性について

どう感じられたでしょうか。

これからの時代に必要な考え方と言えそうです。

 

 

 

出典:日経ビジネスONLINE